長いあいだその地に育った樹木や、愛着のある施設、思い出の風景などはできるだけ残したいと思います。時間や思い出はどんなにお金を出しても買えませんし、一度失われてしまったら元に戻すことはできません。
新しい計画に既存の樹木を残すことや、材料を再利用することは新しいものを買うよりも検討を要します。コストをできるだけ抑え再利用する方法をお客様と一緒に考えていきたいと思います。
また、環境への影響を考慮すると、再利用が確立している材料もありますが、処分=どこかに移動するだけ、燃やすだけの場合も多々あります。新たに導入する施設や植栽も、長く使っていただけるような提案をし、世界規模から見たらわずかではありますが環境への負荷軽減につながればと思います。
屋外空間づくりに関わる業種には、ガーデニングの専門家、公園設計の専門家、材料の専門家、施工のプロ、建築や設備、構造、植物や動物の専門家、造形作家などたくさんのプロフェッショナルがいます。
私自身、屋外空間づくりに携わる者としてお客さまに満足いただける空間を提案することは当然ですが、仕事の内容によっては各ジャンルのプロフェッショナルと協働で進めることが有効な場合があります。より良い空間づくりのためには、ベストな進め方を選択するのも私の業務と言えます。場合によっては、私とは違う能力を持った方がその物件の中心で携わった方が良いケースだってあると思います。